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2013年9月21日土曜日

イバラード~パラレルワールドとしての

井上直久の画集をもとにちょっとしたレポートをお送りしたいと思います。

わたしは確か、家の近所のホールで初めて彼の展覧会に接し、うーんボナールみたいな色遣いだなあーっと想いつつ題材は宮崎駿的で、こう言うのも有だな!とかなりすんなり腑に落ちました。これまでにあまりそういう印象をすぐもったことはありません。というのも、新しく見る絵(音楽や小説)は多少なりとも受け容れに抵抗がある場合が多いものですから。
井上氏の絵については多分、多くのヒトが受け容れるタイプの絵だと思われます。まず、ボナールはポスト印象派のナビ派の画家ですが、基本的にその色づかいは印象派の流れのもので印象派好きの日本人には受け容れられやすいものです。さらに世界観が宮沢賢治にも通じるものが多い。

描かれている対象は、重力を制御できるわれわれのパラレルワールドともいうべき世界です。ちょっとしたタイミングでそっちに行けてしまいそうな世界です。だから何とも言えない郷愁と焦慮の念が込み上げてくるような世界なのです。あなたが昨日、夢の中でいた世界かも。



パラレルワールドとしての
イバラートとは井上直久によって発見・紹介された世界であり、我々に対して広く開かれた場所である。
イーハトーブの近傍にあるやはりわれわれの世界(と一括りするが)とパラレルに存在する世界のひとつ。
波長を少し上げることで、移り住むことのできるところである。

そこでは、重力が制御できる。細く高い塔からの緩やかな空中落下を楽しむことが出来る。
住人たちは、シンセスタという思念を他者と共鳴させる方法で鉱物を媒介にしソルマという思念像を現出させることが出来る。想ったモノがそのまま空間にたち現れるということだ。

われわれのすぐ隣にある普通の世界であり、旅行ではなく、波長を上げるだけで移れる世界。
勿論、井上氏、宮沢氏は頻繁に行き来している。
住人たちは、みな涼やかな面持ちで思慮ぶかく、やや孤独を好む傾向あり。


*イバラートとは
井上直久のこの世界での住居のある大阪府茨木市が、イハトーブの上空入口に繋がる。
西は吹田市がスイテリア(バイオとハイテクの国)
東は高槻市がタカツング(ラピュタとレアメタルの国)となっている。

イバラートにはラピュタという浮遊する小さな鉱物群(浮島)や小惑星が無数に宙(軌道)を廻っている。
建造物には高くそそり立つモノが多く、塔が目立つ。また植物が覆われていることが多い。
交通手段として、高速鉄道「ジーマ」がある。またレトロな市電も使われている。

ごく普通のヒトとモグラやカエル、トカゲ、培養人間、森の人などが共存しており、
コウイカや恐竜、爬虫類、めげゾウなどとも意思疎通が出来る。
なお、ラピュタは店でよく売買されている。光るもの(ラピスラズリ)を売る店が多い。



*これまでの紹介(資料)
スタジオジブリの宮崎駿監督の映画「耳をすませば」に部分的ではあるがかなりの露出を果たす。
これは、はっきり言って画期的な現象である。
異なる波動の存在を同時に同じ場に置くことはできないため画像という形でコラージュした成果だ。

われわれはここにありながら、耳をすまし、目をみはることで、イバラードを実感することが出来た。
「上昇気流」が何であるかを知った。
その波動世界を彩る色彩は、ナビ派の画家ボナールの描く空間を想わせた。

わたしはある時期までは、画集を購入して彼の進展を追っていました。
イバラード博物誌、空の庭・星の海、ジパングの岸辺、世界はあなたのコレクション
、イバラードの旅、3-Dイバラード(ここまですべて架空社)、虹化石の街へ(サンリオ)

それ以外に、

その街―イバラード博物誌〈4〉、水わく丘―イバラード博物誌〈5〉、思い届く日―イバラード博物誌〈6〉、イバラード物語―ラピュタのある風景、星をかった日、等があるようです。とてもよいイバラードカタログであるはずです。行ってみたい方は是非、旅行案内にも使えるかと。



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