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2014年2月24日月曜日

アルジャントゥイユにて マネとルノアール

クレーのア・バオア・クーやダリのポルトリガト、ビョークのお家もとても魅力的ですが、
印象派の画家たちがフラフラっと集まってきて自然に絵を描いてしまうアルジャントゥイユも如何にも気持ちよさそうな場所ですね。

今、とても場所にこだわっています。
ネットで見ていくと、羨ましい場所が幾つもみつかります。


このアルジャントゥイユは、パリから電車で15分。
休日にはパリジャンが舟遊びや散策を楽しむ、とっておきの郊外と言われます。

ここにモネの家もありました。
マネがその家を世話したことでも有名です。

爽やかな夏の陽を浴びながら、草上にモネ婦人が息子とくつろいでいると、ふらっとマネがやってきて、ふたりを描き始めます。
するとルノアールもやってきて、やはりふたりを描き出すのです。
こうして長閑な陽の光の溢れる木陰でふたりのモデルが憩う間に

何の作為もなくモネの婦人と息子の姿を描いた名品マネによる「庭のモネの家族」とルノアールの「庭のモネ婦人と息子」が出来上がってしまうのです。
凄いですね。
何と魅惑的で贅沢な場所でしょう。

マネといえばセンセーショナルな絵を立て続けに発表していましたが、その先陣を切った作品が「草上の昼食」でしたね。
同じ草上のモチーフとは言え、モネ家族の絵にはそのような野心や攻撃性は微塵もありません。
気持ち良い光景という以外に言葉が見当たりません。

マネの方は、オランピアや草上等の練りに練られた構図・構成による周到な描き込みとは異なる、短時間で描かれた見事な筆さばきがよくわかる素晴らしい絵になっています。
地平線から見て、彼は婦人たちとほぼ同じ高さの芝生に立って制作し、その場の雰囲気を何より大切に描ききったことが分かります。
彼らを包む心地よい空間がほどよく切り取られ、鶏の矮鶏が歩き回っている屈託ない開放的な雰囲気が充分に味わえます。

一方、ルノアールは、空間をマネよりずっと二人の人物のみに絞ぼり、しかも上方から描いています。少し後から来たはずですが、マネより遥かに寄って描いたわけです。
人慣れした矮鶏も大きく、この存在が無くてはならないものであることは、はっきり分かります。この矮鶏、ふたりの絵にとても良い味を出しています。
ルノアールの絵はかなり人物ー表情は描き込まれており、画面としては平面性を強調しています。
肖像画としての完成度も高いです。

描かれる方も、坊やは少し退屈したかも知れませんが、描く側ものびのびしたなかでの制作環境でこういうのもアリだと思いました。
それに、陽光の下での制作はまさに印象派ならではのものです。
創めて外の光を自覚的に描いた人たちですから、描くべくして描かれた二枚の絵と言えましょう。


後で批評会とかしたんでしょうか?
多分しないと思いますが。





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