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2013年12月28日土曜日

The Dolphin Brothers / Catch The Fall

The Dolphin Brothersとは、Japanのメンバーであるドラムのスティーブ・ジャンセンとキーボードのリチャード・バルビエリのグループです。どうやら、彼らはボーカルのポップナンバーを発表する際にThe Dolphin Brothersと名乗るみたいです。それ以外のときは、”ジャンセン・バルビエリ”または、”ジャンセン・バルビエリ・カーン”だったりします。


アルバムによって、あら、外しちゃったと思うものと、最初から素晴らしいと分かっていて買うもの、そして未知数のもので多少の勇気を持って買ったら大あたりですごく得したというものがありますが、これは3番目に当たる大当たりアルバムです。

こういうのをご紹介できると嬉しいものです。


JAPANは断るまでもないビッグネームですし、デビッド・シルビアンはデビッド・ボウイよりも下手すると有名かも知れません。ミック・カーンもかなり名は知れています。しかしスティーブ・ジャンセンとリチャード・バルビエリのデュオだよ、と言われてピンとくる人はさほど多くはないと思われます。あくまでもJAPANのメンバーとして知っているだけの人が多いのでは。
そしてJAPANやデビッド・シルビアンなら即買いという人も、このデュオの音を聞いたことのない方は、微妙と思ってすぐに手は出せないかと推測します。

しかしまったく微妙ではありません。キーボードとドラムそして大変控えめなボーカルで、これほどポップで素敵なアルバムが出来てしまうのだ、というお見本のようなアルバムです。もちろんゲストミュージシャンとしてギターとベースは呼んでいます。
あくまでも基本はキーボードとドラムそして大変控えめなボーカルですが。
デビッド・シルビアンも間違ってもシャウトしたり叫んだりするようなボーカルではありませんが、この弟のほうは、さらに徹底してアグレッシブなものすべてと無縁に思えるボーカルです。
何言ってるか聴き取れない位のボーカルです。
スタイルとしてではなく、本質的に。
元祖草食系ボーカルと呼ばせてください。

このビートは骨格はしっかりしていますが極めて静謐であり宗教的な雰囲気を湛えています。
宗教と言っても大変激しいエナジーを真向から食らうタイプのものがありますが、その対極にあるものです。何といっても元がJAPANですから。

サウンドとしてはどの曲も大変聴きやすく、すーっと曲のほうから耳に入り込んでくると言ってよいような。また、旋律が良い。大変きれいです。そしてポップでテンポが速くても全くハードでない。もちろんヘビーにはなりようがない。そんな曲たちです。どれも。
でも軽やかとか軽いというのとは似て非なる音です。
核がはっきりあってしっかりしたヴィジョンに支えられ一音一音が確かに響いて流れてゆきます。
内省的に繊細にひたすら。


ブライアン・イーノを想わせるサウンドです。
一度聴いたらいつまでも耳に、脳裏に残り続けます。
ひとたび心を捉えたら忘れることは不可能な音楽です。

シンプルであるため何時でも何処でも思い出してしまう。


恐るべき呪縛的草食系!(小泉流に言えば)

YMOの高橋さんもお気に入りのデュオだとか。
ものすごく納得(爆

どこかで見つけたら、買いだと思います。
1987年Virginから発売。

それから、ビデオ・DVDがあったら、「NASAのPV」があるかどうか確認してみてください。
トワイライト・ゾーンのなかのあまりにも美しいPVです。曲はひたすら厳かで抒情的で静謐極まりなく流れ、淡々と巨大なロケットが昼でも夜でもない時間帯に運ばれてゆくドキュメンタリー映像です。まさに音楽と映像世界が一体化した、NASAの神々しい光景なのです。
これは、ドルフィンではなく、通常のジャンセン・バルビエリで作っています。








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