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2014年1月6日月曜日

Man of Colours / ICEHOUSE アイスハウス 無作為No.2

オーストラリアのとても澄んだ透明水彩のような調べ
このアルバムはわたしのfavorite albumの一つであることに間違いありません。

The Dolphin Brothersから大英帝国の暗く重い靄を吹き消しメリハリを強調するとこんなサウンドになるかな、という感じです。
ロックを健康的と評するのは矛盾ですが、「表現」としての強度をもった強靭なポップさに満ちています。気持ち良いリリカルで美しい音楽です。
そして何故かというか当然と言ってしまってもよいか、このグループもYMOの高橋さんのごひいきというに留まらず、一緒にコンサートをやっております。やはりDolphinと共通項ありますね。
そういえばこの前作にはスティーブ・ジャンセンがゲスト参加していた。かのブライアン・イーノとともに。何だそんなに近かったのか。今まで気付かなかった(笑

同じオーストラリアでもクラウディット・ハウス(こっちもハウス)よりも音が構造的にしっかりしていて、一世代古いですがスプリット・エンズにむしろ近い高度な音楽性に支えられています。スプリット・エンズはわたしの敬愛する遊佐未森さんもお気に入りのアーティストです。
弾けるように鮮明なアクリル絵具で描いた、朝の煌びやかな海辺のような音楽です。
さすがはゴールド・コーストといった音楽。
(オーストラリアは他にもミッドナイト・オイルなどすばらしいミュージシャンがいますが、こちらは政治色が大変強い、、、おっとイン・エクセスも忘れてはいけない)

技術的な面で言えば、アイヴァ・デイヴィスが純粋なクラシック畑出身であることから、コンポーズがしっかりしていてアレンジにも無駄な音がない。アルバムは出すたびにポップになりボーカルスタイルはロック色をどんどん増しています。アイヴァ・デイヴィスのボーカルは囁いてもシャウトしても透明感溢れる美しい声楽です。しかし完全なロックグループとなり、実験色はまったく無くなりました。迷いのない自信に満ちた作品です。

シングルヒットしたCrazyやElectric Blueはもちろん、アルバムタイトル曲Man of Coloursの美しさ。
この曲はアメリカの画家アンドリュー・ワイエスのことを歌っています。屋根裏部屋で密かに絵を描く画家の話。アイヴァ・デイヴィスがここではギターの他に、専門のイングリッシュ・ホーンを吹いています。
透明にリリカルに静かに畳み込んできます。
色・絵をテーマにおいているためか、極めて空間性に満ちる作品です。

アルバム全編統一感がありますが、スローテンポのものからハイテンポンポのものまで、とても澄んだ透明水彩のような調べです。


やはりこのアルバムはわたしのfavorite albumの一つであることに間違いないことを確信しました。

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