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2014年4月20日日曜日

「消滅した時間」 ~ 奈良原一高

”WHERE TIME HAS VANISHED”
すべてモノクロです。


確かに、「時間」が消滅した「場所」です。
あまりに有名な「インディアン村の二つのごみ缶」の凍結して宙吊りになった缶と稠密な雲に代表される「場所」の写真です。
むしろ大変な速度で移動していた物体が忽然と止まってしまった。
そんな光景。

アメリカのいくつもの州をまたぎ、消滅した時間をフィルムに収めています。
雲がまず特徴的です。
尋常ではない異物感。
空間に固定され永遠に動かない、純粋な「量」自体である「雲」。
それはまた、虚無のように白い。

アリゾナの「砂漠を走る車の影」。
車はもはや何処も走っていない。
少なくとも地上ではない。
影は見えても。
実体は消えてしまった。

多くの写真家が撮影場所に選ぶニューメキシコ、「ホワイトサンズの稲妻」。
他の引いた稲妻の写真との違いは?
音がいくら待ってもしてこない。
さっきまで音が聞こえていたのに。
静謐の中に、忽然と封じ込められた。

カリフォルニアの「海辺のキャンピングカー」。
窓ガラスに薄汚れて貼り付く少女の亡霊。
さっきまでは笑って燥いでたよ。
ほんとだよ。
ごみで汚れた荒涼とした砂浜。

ニューメキシコの「ハイウェイテレフォン」。
何て気持ちよい光景だ!
ここから電話したい。
ここから「あなた」に。
わたしを通して何が語られるのか?

「山の中のレストラン」。
フォークとナイフは客をずっと待っている。
窓も開け放たれたまま。
白昼夢のなかに凍結し。
「あなた」を待っている。

ユタ州では「月夜のエアストリーム・トレーラー」。
あなたは何故、非日常を欲するのか?
「月夜」でしかも「エアストリーム・トレーラー」
時が流れるはずがない。
しかもすべてが模型ではないか?

フロリダでは「炎上する気球」。
火も煙も見えない炎上。
確かに気球はお尻から落ちてる。
妙な角度で止まっている。
トワイライトゾーンでの出来事のひとつ。


全体の10分の1ほどページを捲って見た。
本があまりにでかくて重く、ここで切り上げる。
もう腕が耐えられない。
一枚の写真の中に詰まっている情報を読むには、他の天体の情報を探る要領になる。
実際ここが地球かどうかは保証はない。



どこかで続きをやるかも、、、。


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