ニューメキシコの「ドライブインシアター」。
広大な空き地に犬が一匹。
空間に対し小さすぎる、スクリーンがひとつ。
ヘッドフォンが目の前に。
「あなた」の声を聞いてみるか?
コロラドの「岩肌の見える窓ーローラースケート場」。
舞台の書割よりもぞんざいな窓のついた岩肌。描かれた段ボールか。
その前を古びた操り人形がローラースケートで通り過ぎようとポーズ。
人形は舞台に降ろされたばかり。
路面はツルツル。気をつけろ!
「トイレット」。
広大な荒地の中にポツンとあるトイレット。
そこを訪れる人。
目を疑うシチュエーション。
不在のコンテクスト。
炎天の中のブラックボックス。
ニューメキシコの「裸のベッド」。
ニューメキシコの名物、”月”を見るにはもってのほか!
マットレスなどなくても、クッションは生きている。
おまけに枕がある。これは謎だ。
周りは空き地。周囲は物語を語る木々。整いすぎている。
月はまだか?
カリフォルニアの「夜のモーテル」。
ポール・デルヴォーが泊まっている。
全く物音をたてない、骸骨と裸婦たちも一緒だ。
ここで絵を描いていたのか?
でも、モーテルには一人も泊まっていないかの如く。
光が柔らかく壁を滴り落ちている。
アリゾナの「インディアン・ロックバンド」。
広大極まりない荒野。
monumentalvalleyを原風景に立ち並ぶスピーカーにアンプ。
そして中央に鎮座するドラムセット。
インディアンと客だけが独りもいない。
最高の舞台。または、デジャヴ。
ワイオミの「長距離バス」。
真面目で勤勉な運転手がいまも長距離バスを運転する。
その距離はもう数千光年を超える。
しかし運転手はタフだ!
一睡もせず、理知的な横顔をまったく崩さない。
いまにも揺らぎ立ち消えそうな幻影となっても、、、。
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